今回のお子は男の子なので、「割礼」の問題がありました。いわゆる、チンチンの先っちょの皮を切るやつ。これはイスラム教の習慣というだけでなく、キリスト教やユダヤ教など、割と多くの一神教で行われているようですね。
ちなみに、うちの旦那は宗教的にはゆるーい「なんちゃってイスラム教徒」なんだそう。トル子やうみ君たちの宗教も大きくなってから本人が決めたらいい、ということでIDカードの宗教欄を空欄にしてもらっているし、私も特にイスラム教徒に改宗、というか入信したりしていません。
だけど、割礼に関してはどーしてもやらせたい! といって聞きません。「だってさ、やっておくと清潔だよ。割礼しないなんて、なんか汚いよー」と言うのだけど、そんなもの? そういえば、日本にいる友達は、4歳の息子君がややかぶり気味なので、お風呂のたびにきれいにしてあげないといけない、とか言ってたな。
わたし的には、むしろ年頃になってからそういう事で悩んでほしくないので、宗教とは関係なく、今のうちにチョッキンしてもらうのもいいかなーと思いました。
で、最近のトルコの流行りは「生後二日目に割礼を済ませてしまう」というもの。なんでも、その日数だと精神的にトラウマにもならないし、痛みもほとんど感じていないはずなんだそう。ホンマかいな?
でも、うみ君が年頃になってから、トルコの周りの親戚などに割礼するようゴタゴタ言われたり、実際に割礼式を挙げたりするのは嫌だ、という点では私も相方も一致しています(我々、実は自分達の結婚式さえしてないよ)。…… という訳で、それでは生後二日目にやっちゃいましょーと言う事になりました。
かわいそうなうみ君。
宗教も決まってないのに、生後数時間でいきなり切られちゃいましたよ。
でも、さすがトルコの病院。割礼にも慣れていて、看護婦さんに「それじゃーね」と連れて行かれ、ほんの30分ほどで切られた皮が入ったコップと共に帰ってきました。部分麻酔で10分ほどで終わるのだそう。これ、日本だと全身麻酔で大騒ぎの手術になるらしいですね。
切った先っちょについては、相方が家(マンション)の下の庭に穴を掘って埋めていました。なんでも、「大地から来たものは、大地に返すべき」ということで、割礼された皮は土に埋める習慣があるのだそうです(引っ越したらどうするんだ?)。日本で抜けた乳歯を屋根の上に投げたり縁側の下に埋めたりするのと(…… だったっけ?)同じような感じかね? しかし、私の感覚では赤ちゃんは「空」から来たようなイメージなので(コウノトリの影響?)、大地から来た、と言われると、なんだか野菜みたいだよな。
ちょっと大変だったのは、おむつ替えの時。ただでさえへその緒の消毒があるのに、それに加えて切られたところにもお薬を塗らなければならないのですね。で、お薬を塗るとうみ君泣くのです、痛いらしく。そんな訳で、生後すぐだと痛みを感じない、というのはウソな様な気がしました。かわいちょう。
でも傷については、ほんの一週間ほどで完治してました。へその緒より回復早いよ。
トル子はうみ君のおむつ替えをずっと眺めてたのだけど、ある日、トイレで私に「ねえ、うみ君にもババにもピピ(チンチン)があるのに、どうしてトル子にはないの? 私もピピ欲しいなー。今度ババがお仕事から帰ってきたら、ピピ買ってきてもらおう」と言ってました。あっはっはー。こういうのって、女の子なら誰でも通る道?(Byフロイト)
(トル子が近づくと、なぜかいつも笑みを浮かべるうみ君)
ところでうみ君、男の子のせいか、猿度が高い気がします。おっさん度というか、赤ちゃんだけど、微妙におっさんくさい表情がいい味出してます。
(生後一週間の図↑。ぶっはっはー)
頭の匂いをかぐと、なんとなく相方の匂いが。ますますおっさん度高し。
ちなみにトル子は赤子の時、頭の匂いをかぐとうちの父親の匂いがしました。こんな体臭やだなーと思ってたところ、じきになくなってしまいましたが。
↑トル子が私側の家族写真をうみ君のそばに置いて、「これがアンネアンネでー、これがじいじでー、これがいとこのRちゃんとSちゃんなのよー」と説明していました。
何気にうみ君もじぃーっと眺めているような。
※※※
今日の日記の題とは関係ないけど、12月11日にベトナム人のトラン・アン・ユン監督(『青いパパイヤの香り』の人)が撮った「ノルウェイの森」が公開されるのだそうですね。ううう、これ見るために12月日本に一時帰国したかったのだけど、ま、難しいだろうなー。久々にメディアに出てくる人でかっこよい、とトキメいてしまった松山ケンイチという俳優さんが「ぼく」を演じるらしく、これは是非映画館で観たいところ。ま、村上春樹はトルコでも人気の作家なので、多分そのうちイスタンブールでもタキシムあたりで公開されるでしょう。
http://www.norway-mori.com/
※※※
同じ映画がらみで。
数日前、トルコのNTVというニュース専門テレビ局で「ザ・コーヴ」を放映していたので、見てみました。
おおおぅ、怖かったよー。
日本人を標的にしたバッシング・ドキュメンタリーというのを見たのは初めてなので、なんだか不思議な気分でしたが、標的が自分の国、というのはなかなか受け入れられないものかもしれないですね。一昔前にはありがちだった、「世界をリードする文明大国・欧米v.s.発展途上国(野蛮大国)・ニッポン」的な構図を感じてしまったりして。ただ、映画としては「スパイ大作戦」な匂いがして、ハラハラドキドキさせる上手な作りだっただけに、「日本人ってサイテー!」…… と思ってしまう世界各国の人は多いだろうな、と思いました。これについては後日また日記に。
ちなみに、一緒に見た相方の反応が面白かった。
「日本人、 イルカ食べるの!? こんなに可愛いのに」だって。
「トルコ人、ひつじ食べるの!? こんなに可愛いのに」って言い返してみたら、「イルカとひつじは別だ」だそうです。
ふむ。むしろ、私はその辺が分からないんだよな。
子ブタちゃん。凄い顔ですねー。
(それにしても、今日はうみ君の変な顔した写真ばっかUPしてるよな)