いい加減、2012年冬も終わるというのに去年の夏の旅行の日記UPするのも気がひけてきたので、一気に2日分書いてみます。今回は(も?)長いよ!
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さて、素敵ホテル、プリ・ウランダリにおける二日目の朝が明けます。
朝食は、ホテルフロント近くにある共有プール前の建物で頂きます。
この共有プール、最高でした~。部屋にあるプールと同様、緑深い景色を持ちながらも、さらに水面積が広大。最終日にここで泳いでみたら、なんだか「もののけ姫」に出てくる森の湖で泳いでいるような錯覚に襲われました。初めてプールで泳いで癒されちゃったよ。
これ↓、なんていうんだっけ。東屋? いや、もっと素敵なネーミングがあったような……。なにはともあれ、私たちが滞在した時期はお客さんの数もそんなに多くなかったので、割とすんなりここでも食事が取れました。
パンも食事もなかなかおいしく、この辺、The Kunjaよりレベルは上。
ジュースも選べる。これは、マンゴジュース。
うみ君はすぐにホテルの女性従業員の心をつかんでいました。「さすが俺の子」と妙に勘違いな相方。
朝食を済ませ、部屋に戻って、さあて、ちょっと一休みするか。
ねー。
ねーってばー。
ま、一休みなんて、しょせん無理な話です。
わんぱく化が進むうみ君。
この後、さあでかけよう、という時になって私が体調不良でダウン。食事にあたったのではなく、旅行(特にアジア)にはつきもののツーリスト病というか。ゲーゲー吐いて、下痢して、お腹が痛くて頭痛もします。もう、痛くなりえるところはもれなく痛い感じ。仕方なく私はベッドで休憩。
唯一、この景色が救いの元。
という訳で、この日の予定はキャンセルして、部屋でゆっくりすることにします。
相方はいたって元気。
私以外は皆プールへ。うみ君、やっと浮き輪に慣れてきた模様。トル子は…… ひー、やっぱ落ちそうで怖っ。
結局、この日の私は何もしないまま日が暮れてゆくのでした。
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で、次の日。
すっかり元気になったワタクシ、朝食もモリモリ食べます。
全然じっとしてないうみ君だったけれど、トルコ同様、働いている人たちがかわるがわる抱っこしてくれたり遊んだりしてくれたので、私たちもそれでなんとか食事にありつける感じでした。
それに比べ、あんなにやんちゃだったトル子は1人でご飯を食べられるようになったのでラク。嗚呼、大きくなったもんだ。
さて、この日はやる気満々のウブド観光です。
ウブドでの移動や観光については、例の旅ライター、Tさんに紹介してもらった
カデさんにお願いしてみました。で、このカデさんが素晴らしい! なんでも夜は大学の日本語科で学ぶ学生さんらしいのですが、同時にガムラン奏者でもあり、家族総出で地元のお祭にもよく参加するような「ザ・ウブド」の生活を地で行く人。とても温和で優しい性格の方で、彼のおかげで子連れの私たちでも気兼ねなく旅を楽しむ事が出来ました。実はトル子と年齢の近い娘さんがいらっしゃるということで、子ども関連のネタにも詳しく、お子たちの心もわしづかみ。
このカデさん、案内だけでなく車の運転も請負ってくださってたので、我々があっちに行きたいだのこっちも行きたいだのとわがままいっぱい言っても、一つ一つきちんと聞き入れて色々周ってくれました。おかげさまで行きたいところはほとんど網羅できたよ。ありがとう!
まずは「ネカ美術館」
ここも緑の中に位置する、とても落ち着く美術館でした。
ヒンドゥーの神の一つ、ガルーダが迎えてくれます。
町の規模とは裏腹に、置いてある美術品は割とレベルが高く、さすが芸術のウブド。
昔のウブドの絵画は、オスマントルコ帝国時代のように平坦な細密画的な構図なのですが
(こういうのはバトゥアン・スタイルというらしいですよ)
段々ヨーロッパなどの影響を受けたらしい形跡がちらほら見え始めます。
例えばこの、ゴーギャン的な作品、
モジリアーニ的な作品
アンドリュー・ワイエスみたいなものもあります
私が気に行ったのは、アブドゥル・アジズさんという巨匠の絵。なんだか印象派みたいな柔らかい絵を描く人です。
すてきですね。
トル子はベビー好きなので、これが気に入ったんだって。
赤ちゃんだらけだ。
それにしても、「2人のお子を連れて美術館」ほど無謀な試みはありません。ここで活躍したのはとーちゃんでした。ありがとよ。
おかげで私は絵画鑑賞に没頭。
かわいいグッズも見逃せません。
↓3D版ムンクの叫び
↓IKEAに売ってる指人形みたい。
この後はお昼ご飯。いわゆるワルンと呼ばれる大衆食堂的なところで、ご飯もうまけりゃ値段も優しい、というところでした。確か、オーナーは日本人だとカデさんがおっしゃっていたような。
うーん、今見てもおいしそう。
そして、なんと子どもの遊び場まで。
この遊び場で、巨大な青年のような男の子がのっしのっしとジャイアンみたいに遊んでいたのだけど、細くて華奢な女性(たぶん母親)がスプーンですくったご飯をこの遊び場まで持っていき、彼の口に「あーん」と入れてあげていたのには驚愕。男の子はゆうに160センチはある背の高い子で、10歳は超えてたんじゃないかな~。中国人観光客の家族でしたが、中国ではこのように男の子をアマアマに甘やかすことが多いのだそう。それにしたって、カッコウじゃないんだから、自分より小さい母親に食べさせてもらうなんて。
民族衣装で食事に来ていた地元のカップルもいました。民族衣装に携帯電話。時代と共に変わるものもあれば、変わらないものもあり。
この後はテガラランと呼ばれるライスフィールドの見学にいきました。ライスフィールド……ただの水田です。でも段々畑なのが見どころ? なのか?
このライスフィールド、一大観光地と化しており、この景色が見られるポイントにはいくつもカフェが並んでいました。
なんでも、ライスフィールド・トレッキングという企画もあるらしいですよ。しかしそれって、「体験、稲刈りツアー!」さえ付け加えれば、ただの立派な「農業」では?
この後、ウブド市場に移動です。
ソウルの南大門市場みたいで、なかなか楽しかったです。残念なのは、『買物』となると目の色変えて興奮してしまったので、これ以外の写真がないこと(この入り口までは、平常心だったんだよな)。
この後、ガルーダに魅せられた相方は「ガルーダを買って家に飾りたい」と言いだしました。ウブド市場でも見てみたんだけど、どれもイマイチだっということで、心優しいカデさんが「それではガルーダの木像を作っている村に行きましょう」と言ってくれました。
そう、ウブドは芸術の町と言われているんだけど、各村はそれぞれ専門にしているものがあるようです。例えば、ガネーシャの石像ばっかり作っている村とか、シヴァの石像ばっかり作っている村とか。…… で、カデさんはガルーダの木像ばっかり作っている村に連れて行ってくれるというのです。
こちらが村の入口(または出口)
アスファルト舗装はされているけれど、本当にのどかな村。
こんな感じの家がポツポツとありました。
ガルーダの木像だらけ。
裏に行くと、コツコツと木像を彫るウスタ(職人さん=トルコ語ですよ)が黙々と作業しています。
中には、こんなゴージャスな家もあって
「ガルーダ成金?」なんて勝手な想像しちゃったりして。
何軒かガルーダの木像をつくるアトリエ(もしくは家)を回った後、最終的に相方、ものすごいでっかいガルーダを購入。しかも、お金が足りなくってカデさんに借りてまで、だよ! やれやれ。私はつい、手のひらに乗るようなちびガルーダを買うのかと思ってたのに。
で、こちらが我が家に鎮座する、そのガルーダ木像。
上に乗るのは、世界を維持するヴィシュヌだそう。
確かに、見た中ではこれが一番よかった。しかし、でかいよな。
ということで、この日のウブド観光クライマックスは、スバトゥ寺院という水のお寺。ここは大きさもほどよく、人も少ない。緑と水に囲まれた、しっとり落ち着く寺院でした。
バンコクの寺院たちのように、足が丸出しだとだめらしいので、相方スカート巻いてます。
バリのヒンドゥー寺院の門はたいていこの形(村の入り口もこんなだったな)。
神様を守る鬼↓。それにしても、日本の風神・雷神に似てない!? 思わずNHK世界遺産のDVD思い出しちゃった(シルクロードを通して、日本の風神がギリシャの風の神にまで通じている、というとても興味深いドキュメンタリーを見たことがあるもので)
ぶふふ。
一方、トル子はこの寺院を見て「トトロがいると思う!」と断言していました。「ほら、トトロの木!」…… 確かにちょっと似てるかも。
子どもの感性は鋭いから、本当にトトロがいたのかもね。
と言うわけで、駆け足で見たウブド。
ちょっと忙しかったけれど、2人も子どもを連れていたにもかかわらずガンガン回ることができたのも、全てカデさんのおかげ。大満足です。どうもありがとう、カデさん!